『一生かけても返しきれない恩』を、少しでも返せる道だと思うから…

Re-40「RE党」

3記事め。本当の格好良さと、このブログをはじめた理由について。かな?今日はちょっと真面目に書きます。いつも真剣には書いてるんやけど、今日は真面目に真剣に書きます。

 

このブログ(『RE党』なのか『40歳からの人生のはじめかた』)名前はまだあやふやなんやけど書きたいことは決まってるので名前はそのうちイイ感じに落ち着くのにします。

3年前の7/31、大阪にあった僕の工房が火事で燃えました。原因は建物に埋まってた40年前の電源設備。過失ではなく貰い事故というか仕方のない不運な出来事だったけど、怪我人もなかったのがまさに不幸中の幸いでした。でも炎と煙と消化の水で中にあったものは全壊でした。

被害額は数千万円。あまりに燃えちゃったので正確には計算できませんでした。その後の仕事ができなかった期間とかも入れたら億越え、僕みたいな庶民には破滅的な額です。10年以上借りてた場所で、商品や高価な機会工具だけでなく思い出もたくさん詰まった場所でした。

イベントなんかもたくさんやったり、すごく楽しい場所でした。そして大切な家具もいっぱい詰まってました。

 

「マジでどうしよう

 

とさすがに途方に暮れてた時にある1通の手紙が届きました。人気テレビ番組の『おじゃマップ』収録で東京下北沢のお店に来てくださったSMAPの香取慎吾さんから。

その時は頭もピヨッてるし、なんとなくスゴイ出来事だとは思ったけどあまり理解ができてませんでした。ジャニーズ事務所ってすごく色々厳しいらしく、そこのトップタレントさんが直筆で手紙を書くなんてまずありえない事、そして内容がさらにものすごかったんです。だいぶ後で理解しました。

 

火災の事を知って心配してくださったそうで、「香取慎吾さんからお手紙を預かったので送りたい」という連絡を番組ADさんから頂いて、「あ、ありがとうございます。」と言って送り先をお伝えしました。

すごく嬉しかったけど、その時は何もかも燃えちゃって途方に暮れてて、「あぁ、気にかけてくれたんだ。嬉しい。」という感じに思ってました。すごく勇気もらったし、嬉しかったけど、もっと深い意味には気づかなかった。

 

それから半年弱、新しい工房を探しながら、売り上げも全くないのに支払いだけはずっとあって、本当に気が狂いそうな日々が続きました。そういうの出すの嫌いなので「燃えちゃったテヘペロ」とか笑ってたけど、さすがに心の中ではキツかった。

秋頃になんとか愛媛で知り合いづてで臨時で貸してもらえる工房が見つかって、モンペスツールっていう商品だけはつくれるようになりました。でも売り上げなんかは当然なくて、決死の覚悟で広告出したものの大不発(今振り返ると当然かなって思う)で、本当に死にかけてました。

そんな時にふと思い出したのが香取慎吾さんからのお手紙。大事にしまってたまに眺めてたけど、親友からもらった手紙のように、めちゃくちゃ大切だけど自分だけの為の手紙だと思ってました。だってお店の名前も分からない。僕の名前も分からない。モンペスツールの名前も分からない。ただありがとう。って内容の手紙。

 

普通の常識で考えたらおかしな手紙でしょ?名前くらい調べません?送って来てるんだし、誰かに聞けばすぐ分かるでしょ?それでも「名前も覚えてないくらいなのに気にしてくれたんだ」って喜んでました。気遣ってもらうってやっぱり嬉しいし。

で、火災から半年弱、年末の事です。大失敗に終わった広告も、もちろん結構なお金がかかってました。僕にとってはすごい大金です。ちなみにその広告を必死に一緒に考えてくれて、デザインとかして出してくれたのがこの『ザ記』の主のロックオン柳田(仲良いので敬称略)です。

ロックオンも一緒にガン凹み。本当に必死に考えてやってくれたんです。でも全くダメでした。(今は理由分かるけど、その時は分からなかった。その話はまた別の機会に)

 

「本当にどうしようマジでもうアカンかな

 

と絶望感の中で手に取った手紙。「せっかく励ましてもらったのに頑張れなかったかも」と思いながら手紙を眺めてました。そしたら内容が変なんです。

「なんやねんピクニック気分てイスの名前も分からないって言いながら、それプレゼントしたモンペの名前やし…w」モンペスツールは8種類、それぞれに名前を付けてるんです。フラミンゴ、マウンテン、ケルプ、カステラ、モミジ、サーカス、ウルフ、そしてピクニック…

そうなんです。香取慎吾さんにプレゼントしたのはモンペスツール『ピクニック』だったんです。名前も分からないとかって言いながらピクニック気分とか、なんて天然な…wとか思ってたんです。その時まで。その時も半分も理解できてたか分からないけど

 

人からもらった手紙を人に自慢して見せるなんてあまり好きな感じじゃないので、それまでずっと黙ってました。「でも年末だしこのままルーツファクトリー廃業とかってなったらもう完全にお礼言うチャンスもないし。ピクニック気分て書いてあるし、見せても良いのかな

そんなくらいの気持ちでブログに書きました。ポチッと公開ボタン押しました。「あ~もう来年はないのかもなぁ」とかチラリと思いながら

 

すると、直後から異変が。

 

本当に自分の目を疑いました。

 

あれだけのお金をかけて広告出したのにまったく効果がなく、ほとんど稼働しなかったショッピングサイトのカートから突然大量のメールが送られてきました。

 

「なに?スパム?そんなんマジいらんし、これ以上イジメんといて」

 

とか思いながら見ると

 

【ご注文確認メール(自動配信)】

 

っていう最高に嬉しいメールが、冗談抜きになんかのエラーか?ってくらいに立て続けにきました。もちろん99%『ピクニック』のご注文メール。

もちろんSMAPファン、香取慎吾ファンの皆様からのご注文。ご注文だけじゃないんです。「頑張ってね!」「応援してる!」と励ましのメッセージと共に。

 

それから年末、お正月と、ずーっとご注文メールが届き続けました。「え?え?え?」って感じでした。もちろん嬉しいけど意味が分からなかった。その時のブログがこれ。

 

香取慎吾さんからの手紙。火事でどん底だった時に、最高の勇気をもらいました!ありがとうございます!! | 東京&大阪、家具を楽しむ家具工房 ROOTS FACTORY(ルーツファクトリー)オフィシャルサイト

 

あの時のあの出来事がなかったら、今頃ルーツファクトリーはありません。香取慎吾さんと、香取慎吾ファンのみなさんとのご縁がなかったら、今頃ルーツファクトリーはありません。僕がどうなってたかは考えたくもないです。マジで。

だいぶ経ってからです。少し分かったのは。言えなかったんですよね。色んな大人の事情で。お店の名前もイスの名前も、スポンサーでもない会社の商品の名前を出したりする事は出来なかったんですよね。そんな中での

 

『ピクニック気分で』

 

という言葉。後になればなる程、それがどれだけの意味を持つか、どれだけの優しさと思い遣りが詰まっているか解りました。

名前を知ってたか知らなかったか、(当然知ってたと思うけど)もし仮に覚えてなかったとしても、わざわざ気遣ってお手紙を出すような優しい人だったら「名前なんだっけ?」って聞けばすぐ分かる。そんな手間を惜しむような人じゃない。

 

何もかもが書けない。書いてはいけない中でなんとか書いてくれた特別なお手紙だったんです。

 

それがどんな意味を持つか、自分がどれ程の影響力があるのか十分に知っていて、でもそれを気づかせもせず無邪気なように振舞って。

 

涙が溢れて止まりませんでした。

 

どう書いて良いか、どこまで書いて良いか、悩みに悩みました。だんだんと解ってきた気遣いを、どこまで書いて良いのか、どこまで分からない振りでいれば良いのか。実際どこまで解ってたかも、今も解ってるのか怪しいくらいだけど。

 

『本物のスターってこういう人なんだ』

 

震えました。格好良すぎて、素敵すぎて、優しすぎて…

ご自身も大変な時期です。そんな中、たくさんある番組の中のたくさんあるお店のたくさんいる人の中のたった一人の僕の事、お店の事をこんなにも気遣える人。

僕はあまり真面目に生きてきたとも言えないので、たくさんの人に迷惑かけたし心配もかけました。かなりロクデモナイ部類の人間だと自覚しています。そんな僕の数少ない絶対に曲げたくない事、それが、

 

『受けた恩だけは忘れない』

 

です。そんな奴がこんなカッコイイ事されたらもうですよね。心底惚れました。憧れました。大統領が来ようがロックスターが来ようが「だから?」っていうような不遜な人間です。でもどんな立場でもどんな状況でも「その人が好き」なら大好きになる人間です。

自分の物差しだけで生きてます。だから、有名人とかアイドルとか、正直まったくどうでも良いです。

 

『この人は本当にカッコイイ人だ。大好きだ。一生大好きだ。』

 

そう思いました。今の僕は香取慎吾さんに「あの時はありがとうございます!」と直接言える人間ではないし、こんな事言ってても周りから「誰やねんアイツ」とか思われるのがせいぜいだと思います。でも、マジで決めた事。いつになっても必ず絶対やると決めました。

 

『いつか香取慎吾さんに直接お礼を言おう』

 

と、決めました。とりあえず思いついたのは「いっぱい稼いでスポンサーになろう」でした。自分でも狂ってるな、とちょっと思うw

イベントに行けば会えるかもしれない。都内のいそうな所をうろちょろしてれば会えるかもしれない。でも、そうじゃないんです。それじゃ嫌だ。もし偶然バッタリお会いする機会があればもちろん即「ありがとうございます!」だけど、自分が会うべき人間になって会いたいんです。

 

だってあんなカッコイイ事されて、されっぱなしじゃ悔しすぎる。本当の意味で恩をちゃんとお返ししたい。あんなに人気のある人の、しかもどんどん活躍の場が広がってる人のスポンサーって、幾らあったらなれるのかよく分かりません。

でもどんだけ高いハードルでも良いです。よじ登って絶対自分でお礼を言おう。僕の、ロクデモナイ人間の僕のロクデモナイ意地です。そしてその時に、自分も今より格好良くありたい。あんな風に人を気遣える人になりたい。そう思いました。

 

ずっと必死に頑張ってきて、何の余裕もなかったけど、少しだけ時間がつくれるようにまでなりました。だからこのまだ名前もちゃんと決まってないブログをはじめる事にしました。『RE党』なのか『40歳からの人生のはじめかた』そんなような名前になるでしょう。

僕も「どん底」(だと思ってる)人を助けられるような人間になりたい。あんな風にカッコ良くはいかないし、そもそもそんな善の心が自分にあるのかも分からないロクデナシ人間ですが、でもしたい。自分なりのやり方で。

 

僕にはあんな凄まじい影響力はないけれど、もしかしたら「あれ?もしかして」って何かキッカケを感じてくれる人がいるかもしれない。そんな人の何かのきっかけになったら良いな、と。

壁ができた2

あの時一緒に悩み考えてくれたロックオン柳田(仲良いので敬称略)のブログで、これをやるのも何かの縁なのかな、とか思いました。

 

40歳からとか言ってるのも本当は何歳でも良いんだけど、自分が40歳になったから。視野も狭いので若者の心も大先輩の心も分かりません。ただ、僕と同じような世代の、同じように「どん底」を感じて苦しんでる人の、何かのきっかけになれば良いな、と。

 

それが僕の貰った、『一生かけても返しきれない恩』を、少しでも返せる道だと思ってます。

 

と、いう事で、思いっきりお金を稼いで思いっきり言いたい事、書きたい事を書きまくって、いつか大恩人に直接お礼を言いに行こうと思ってます。

楽しみに待っててくださいね。大マジなんで。

第1話:え?まさかウチが!?火事は突然に【火事からのキセキ】 | 東京&大阪、家具を楽しむ家具工房 ROOTS FACTORY(ルーツファクトリー)オフィシャルサイト
この記事を書いた人
阪井信明

『40歳からの人生のはじめかた』を提案する“RE党”(現在党員1名なので党員募集中)の党首。ROOTS FACTORYという家具の秘密結社のビーチパトロール部門長を兼任。最近うっかりMy菜園をゲットした菜園ティストでもある。完全に世界は自分中心に回っているので世界平和を心から願うB型。カップラーメンには必ず菜園の大葉(シソ)をちぎって入れるのがMyブーム。ありがとう。

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